「新日曜美術館」漂白の画人・池田遙邨−山頭火行く−

 日曜の夜8時からの再放送で見ました。まずその色彩が心地よい。心が安まる緑が印象的。「山頭火行く」はその俳句をそのまま題名としたシリーズで、どこか原田泰治の色彩・造形や永島慎二の旅人くんが混じった、あるいは谷内六郎にも通じる世界。
 山頭火と同じ瀬戸内生まれで、二十歳前にすでに完璧な水彩画風の風景日本画を描き、30代には昭和の安藤広重として東海道53次を3度もシリーズで描いている。トレードマークが地下足袋に法被だったとか、その後様々に画風を変えながら、S63に93歳で死去。その晩年に描いていたのが山頭火行くのシリーズだった。ぜひ実物をじっくりと眺めてみたいものだ。