曲がって走るASIMO

【12月14日】
ホンダ、さらに速く走れるASIMO
〜受付案内、デリバリーの自動化も実現
 本田技研工業は13日、ヒューマノイドロボット「ASIMO」の新型を発表した。外見は変わらないが、バランス能力が向上し、時速6kmで走行するほか、自動で受付案内やワゴンを使ったデリバリー作業等を行なえるようになった。
 新型ASIMOは昨年発表時の倍にあたる時速6kmで走行する。モーターを10%速く制御することで、跳躍時間は人間の走行とほぼ同じ0.08秒、跳躍時に両足が浮いて前に進む距離は5cmになった。通常歩行速度も従来の時速2.5kmから2.7kmになっている。
 これまでは両足が浮いているときには積極的に上半身をつかっていなかったが、今回、上半身のひねりと腰の動きを制御することで、本格的な走行が可能になったという。また旋回するときに体の重心を内側に傾けることで高速旋回が可能になった。
従来技術との比較。歩幅は30cmから一気に52.5cmに、ジャンプ距離も0.6cmから5cmになった。旋回走行、スラローム走行が可能。
 また視覚、床面、超音波センサーによって周囲の環境を認識し、新たにホンダが独自開発した「IC通信カード」を人が持つことで、人間の動きに合わせて自動受付・案内ができるようになった。「人が指示を出して、それにASIMOが従う。人とASIMOの役割を明確に分けた」ところが肝だと開発責任者の重見聡史氏は語る。
 手順は以下のようなものだ。まず、来客はネットワークを通じて来館や会議室の予約を行ない、受付でASIMOと通信を行なうためのカードを受け取る。ロビーで待機するASIMOはカードと通信をして、どのような人が来客したのかを知る。そして自らの内部に持つ地図情報をもとに所定の会議室まで来客を案内する。仮に来客との距離が離れても、相手を待つといった柔軟性も持っている。
 またASIMOPDAを通じて注文を受け、お茶を運ぶような軽作業もできるようになった。トレイを持たされると、手のセンサーでちゃんと持ったかどうか確認する。もし不安定だと置き直してもらうように自分で判断して人間に要求する。運搬中はトレイを揺らさずに運ぶことができる。もしトレイが傾いてしまったら停止する。また、テーブルにトレイを置くときは、テーブルの高さに合わせて置くことが可能だ。
 オフィスでの受付機能 PDAを使ってASIMOに飲み物をオーダー
 トレイを受け取って運搬、テーブルの高さに合わせて置く 受け渡し運搬には頭部カメラ、手首の力覚センサ、指のポジションセンサを組み合わせる
 手首の力覚センサーを使うことで、手を繋いでASIMOと歩くこともできる。
 さらに、ワゴンを左右の力を調節しながら押すことができるようになった。ワゴンの動きを邪魔されても向きを変えるなど柔軟に対応できるという。ワゴンに乗せる荷物は10kgまで対応できるという。ワゴンを押しながら斜めに歩行したり、バックすることも可能だ。
 バッテリはリチウムイオンで、稼働時間は連続歩行時で40分程度。
 ホンダは、これでオフィス内での軽労働における身体能力に関しては目標を達成したとし、今後は知能領域に重点を移して研究開発を行なっていくという。ただ、ロボットの運動能力についても今後も研究は続けられるようだ。
 ホンダの福井威夫取締役社長は「我々の目標は、生活空間で人間と生活できる人間型ロボット。今回の開発で相当進化したと思っているが、我々の目標は非常に高い。できれば人間と同じことができるところまで持っていきたい。そのためには知的能力が技術的問題だ」と語った。
 今後は、来年の春を目処にホンダ和光ビルのオフィス内で運用をはじめ、リースに関しても順次、新型ASIMOを適用していく予定としている。また姿勢制御、画像・音声認識、衝突予知・回避技術などの技術を、車の安全技術ほかさまざまな分野にフィードバックしていくという。
□ホンダのホームページ
http://www.honda.co.jp/
ニュースリリース
http://www.honda.co.jp/news/2005/c051213-asimo.html

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/1214/honda.htm
驚きました。動きがますますスムーズです。これなら十分実用になる段階に思えます。ただ、転けても自力で起きあがれのか気になります。問題はバッテリーですね。モバイルパソコンではないですが、6時間ぐらいは動いて欲しいです。現状では燃料電池でも無理でしょうね。   (04:05)