はやぶさ小惑星着陸、ただし成功とは・・・

はやぶさリンク」:第1回着陸時のはやぶさの挙動
 午後9時47分:JAXAリリースが公開された。
・「はやぶさ」の第1回着陸飛行の結果と今後の計画について:11月23日

 JAXAリリースから読み取れる、第一回着陸の際のはやぶさの挙動です。

11月19日午後9時:イトカワから1kmのところから降下を開始。
11月20日午前4時33分:地上からのコマンドで、最終的な垂直降下を開始。

午前5時28分、高度54m、ターゲットマーカーの拘束を解除(ターゲットマーカーを固定していたワイヤを切断)。
午前5時30分、高度40m、はやぶさは9cm/s減速して、ターゲットマーカーを分離。ターゲットマーカーは降下してミューゼス海南西側に着地したものと推定される。
 その後はやぶさは高度35mで、高度測定をレーザー高度計からレーザーレンジファインダー:Laser Range Finder: LRFに切り替えた。

 高度25mで、いったん速度をほぼ0にしてホバリング
 そこからはやぶさは自由落下を開始。

午前5時40分頃、高度17m:ハイゲインアンテナを地球に向ける姿勢から、サンプラーホーンを地形に垂直に向ける姿勢へと姿勢を変更。地上との通信が切れる。以後はやぶさはビーコンモードで電波を発信。地上からはドップラー変位ではやぶさの視線方向速度を監視。

 これ以後は、地上局からのリアルタイム監視は不可能に。

 以下はデータレコーダーからダウンロードしたデータで判明した。

 17mからの降下直後、障害物センサーが障害物を検出、はやぶさの自律機能は緊急離陸を行おうとするが、姿勢の角度が緊急離陸時の許容範囲を超えていたために、緊急離陸は行わず。
 はやぶさはそのまま降下。ただし、緊急離陸機能が動作したために、着陸検出機能が起動しなかった。
 そのまま、はやぶさは着地、2回ゆるやかにバウンドして停止したことが、 LRFデータと姿勢データから判明。
 着地はちょうど、NASAゴールドストーン局から、臼田局の切り替え時間帯に入っており、ドップラー変位による着陸の確認ができなかった。

 着陸姿勢は、サンプラーホーンと、探査機の側面の端ないしは太陽電池パドルの先端を接地させた形だった模様。

 最初の接地は午前6時10分前後だった模様。バウンドして2回目の着地は午前6時30分前後。その後小さくバウンドして停止(LRFのデータから推定)。


 着陸検出機能が動作していなかったので、サンプル採取用の弾丸が発射されず、サンプル採集はできなかった。
 そのまま約30分、はやぶさイトカワ表面に留まる。その間、イトカワ表面の輻射にあぶられて本体温度上昇。

 午前6時58分、地上からの緊急離陸コマンドによって、はやぶさは離陸。セーフモードに移行。

 その後、11月21日と22日の2日をかけてセーフモードから三軸制御への復帰を行い、現在はハヤブサ近傍へと移動しつつ、データのダウンロードを行っている。

 データダウンロードはまだ途中。着地点詳細画像や着地場所などはまだ分からない。今後ダウンロードされるデータによって新事実が出てくる可能性がある。

 現時点では温度上昇による、探査機への大きなダメージは確認されていない。しかしヒーターセンサーなど一部が確認が必要な状態になっている。

松浦晋也のL/D http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/

ちょっと興奮します。これだけ細かなことが明らかになっていたのですね。想定外の事態に対して対応機能がうまく働いたようです。これは失敗とは言えないと思います。日本の宇宙探査がこれだけのことができたのですね。最も小惑星も完全失敗に陥ることがない許容域を持っていた様ですが。2度目の着陸にトライ、今度こそ完全成功して欲しいですね。   (04:10)