新井 満さん

千の風になって  新井 満

私の墓の前で泣かないで下さい
 そこには私はいません
  眠ってなんていません
千の風になって
 あの大きな空を吹き渡っています

 本日のNHKの番組「今夜は恋人気分」に新井 満さん夫妻が登場しておりました。
私にとっては、森敦の「月山」を歌にしたあの広告代理店の人です。その後「ワインカラーのときめき」等のヒット曲を持つシンガーソングライター、「尋ね人の時間」の芥川賞作家、写真家、ビデオ作家とマルチタレントとしての道を歩んでこられましたが、いわゆる芸能人としての派手さが感じられません。ずっと会社員として着実に人生を歩んでこられて家庭生活も着実だったようです。
 奥さんも素晴らしいですね。ハイジに憧れて農業大学校に通い、変凡な主婦から一念発起して46才でハイジの故郷を訪ね、夫妻で本を出版されてからは自らも著作の道に入られておられます。
 年回りが近いこと、自分がやりたかったことをやっておられることなどから、時折新井さんが新しいことをされた記事などを見ては、やってるねと思いつつ、さて自分はどうだろうと反省してきました。今回の番組を見て、いい年を取られたなと感服しております。また、自分の死んだ先のことに思いを定めて今回のCDを作際されたそうです。
 この「千の風になって」の内容−と言っても番組で聞いた範囲ですが−は私が何となく考えていたことに相通じるものがあります。死んだ後、その人はいなくなっても残された人の中に思いは残っています。それがつながって人の筋がたどられてゆくのだと思います。そうであれば前向きに受け止めて、明るく考えてほしいと思います。本当は墓なんて無く建って良いと思っています。死んだものには留まる場所など必要ないのですから。ただ、残された人たちのよりどころになるだけです。だから、もし私を捜すのなら墓なんかじゃなくて大空の彼方、そこからの光や風の中に見つけてほしいと思います。何かの香りや暖かみなどからふと思い出して貰えればこんなにうれしいことはない、ときっと思うでしょう。  (01:12)