石ノ森萬画館

一頃石森章太郎(私にとっては改名後の石ノ森ではなく、一番親しんだ石森でなければなりません)にはまったことがあります。特にCOMのファンタジックワールド・ジュンには衝撃を受けました。スマートさなどで手塚治虫よりも好きでした。ただし、仮面ライダーになるとちょっと違うかなと思いました。TVとのタイアップで何かちゃちく見えたのです。何せ多作の人なので作品をすべて集めるなどはできませんでしたが、ある時期の物は大体そろっているはずです。
 宝塚の手塚治虫記念館もそうですが、その作品量や思想の幅広さからするとあまりにも規模が小さすぎます。また、各地に小規模な物が分立しているのも残念です。地域興しに利用されるのは仕方ないとしても、各地に同じような近代美術館を造るくらいなら、できれは国の資金も入れた世界に誇れる本格的な漫画美術館として、彼らの全体像をきちんと展示できる規模にしてほしいものです。それだけの価値は十分あると思います。
 映像ホールでアニメ版の「龍神沼」見ました。この作品は、「漫画家入門」の中で細かく解説されておられましたが、それが正しいかどうかは別として、そのリリシズムが大好きです。我々の青春時代と言うよりはその少し前という感じ、人物像にしても都会人の画家を志す学生と田舎の親戚の女の子、そして幻想的な少女、今や存在しないが、自分にとっても十分に存在感があります。
 当時の若者としては、その漫画家入門やCOMや触発されて、漫画を書来だした物です。そっちの方は筆力と根気がないことに気が付いて、イツしたやめになり、代わりに文章でと思ったのですが、そっちも根気が続きませんでした。今後、退職して時間が自由になったら、何とかまとめたいと思っているテーマがいくつかあります。その一つが、「龍神沼」の少女がなぜ龍になったのか、そしてその後どうなったのかという物があります。果たして書き上げることができるのやら。