休日中に読んだ本

つんどくの中からこの休暇に乱読したもの
梨木香歩 からくりからくさ 新潮文庫 
 女4人の共同生活とくると、樹?「菜の花畑」シリーズを思い出す。時代的には大分離れるが通じるものがある。その年でそこまで手作業に惚れ込めれるのも才能かしら。ストレート。
−梶尾慎治 クロノス・ジョウンターの伝説 ソノラマ文庫
 SFラブストーリー、ひねりよりも叙情性。文学的にはおお甘で、人間に深みがないなんてつっこめるが、そのストレートなところが気に入っている。特に最終話がいい。
−梶尾慎治 黄泉人知らず 新潮文庫
 やはり表題作、「黄泉がえり」のサイドストーリーが一番。あとがきにあるようにいろいろのバリデーションが作れるので楽しみに待ちたい。
−梶尾慎治 美亜に贈る真珠 早川文庫JA
 表題作は最後のどんでん返しは面白いが私的にはいまいち。一つというと「時尼に関する覚え書」きかな
オノ・ヨーコ グレープフルーツ・ジュース 講談社文庫
 この間TVのオノ・ヨーコの特集番組ででてきていたが、いったものがちっと頃か。その語り口がジョンレノンのImagineにつながったというが、あっちはあまりにもキリスト教的囚われからの離脱で終わっているが、こっちの発想がやはり当時のモダンアートそのもので、内容的にはこっちの方が飛んでいるものが多くて面白い。燃やしてしまう気にはなれないな。
推理小説
−岩崎正吾 風よ、緑よ、故郷よ 創元推理文庫
 語り口が気に入った。基本的には善人ばかりというのもいい。肝心の犯人はなるほどとは思えないが、まあそれなりに落ち着くところに落ち着いたというところか。
−小沼 丹 黒いハンカチ 創元推理文庫
 人名をカタカナにしていることで時代色がこんなに変わるのか。面白いな。でもこのモダンさ、いい時代だったですね。
−倉知 淳 過ぎゆく風は緑色 創元推理文庫
 仕掛けはうまいですね。降霊術のトリックはありそうでなるほどと思わせる。やっぱり猫丸先輩という人物造形が一番。