自分なら
集英社文庫ま15-1 松下 緑著 柳川創造編 漢詩に遊ぶ 読んで楽しい七五訳
昨日購入したこの本をみてると、こういう楽しみもあったことにきがつきました。
本歌取りというのか?超訳というのか?自分でもやってみたくなります。
有名なのがこれでしょうが、どの訳が一番気に入りますか?
勧酒 于武陵
勧君金屈巵 満酌不須辞
花発多風雨 人生足別離金のさかづきをひといきに
ほして返してくれたまえ
花がひらけばあめにかぜ
人はわかれてゆくものを
[松下緑 訳]サラバ上ゲマシヨ此杯ヲ
トクト御請ケヨ御辞義無用(退)
花ノ盛リモ風雨ゴザル
人ノ分レモコノ心ロ
[潜魚庵 訳]コノサカヅキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトヘモアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ
[井伏鱒二 訳]
井伏さんの"ハナニハアラシノタトエモアルゾ 「サヨナラ」ダケガ人生ダ”はちょっと達観が過ぎるように思います。
”「コンニチハ」モ人生ヨ”ですよね。
私ならこんなトコなかな
最後に一杯飲んで行け
まさか嫌とはいわんだろ
ようやく花が咲いたのに
こんな風雨が来るなんて
もう「別れ」なんて沢山だ
[昨日旅人 訳]
一番好きな漢詩はこれかな?雰囲気が良いですね。
江南春 杜牧
千里鶯啼緑映紅 水村山郭酒旗風
南朝四百八十寺 多少楼台烟雨中草木は萌えて花競い なくは鶯方千里
岸辺の村に峡のまち 酒屋の旗がゆれている
むかし栄えた寺の数 四百余りと聞くにつけ 遠く近くの古き塔 雨に煙るがうらがなし
大昔に漢文の授業で訳したものを少し変えてみました。
千里の道は江南へ
目に嬉しや 緑にしみる紅の桃
水辺の村から山の街 鶯聞きつ歩むゆく
心地よいのは のれん揺らす風
南朝にある寺、四百八十
いくつ煙るや 霧雨の奥
[昨日旅人 訳]