読了

吉野朔実さんの「いたいけな瞳」全5巻を読了しました。5巻の古厩智之さんの巻末エッセイで31話中で自分として一番好きな作品を見つけて下さいという著者の後書きが紹介されていました。文学的?な作品が多いのでどれもが心惹かれますが、古厩さんが選ばれたのはその中でも文学的な味わいの強いものでした。さて私ならどれでしょうか。少女漫画の王道としてなら、第10話「ささやかな不幸」が好きですね。第13話「月の桂」は、もろ夏目漱石夢十夜ですね。第15話の表紙は「Papa told me」に出てきたような感じ。第17話と第21話のスキップって大人、でもつきあうにはちょっと大変。絵がうまくて、ストーリーがしっかりしていてどれも味わいがあって選び切れませんでした。
 ドナ・アンドリューズ「ハゲタカは舞い降りた」解説の坂田靖子さんが好きです。今回はディープ南部の味わいと言うよりはとコンピュータソフト界と言うことで日本でもありそうと思える箇所がいくつもありました。といっても常識の範囲や人間関係などちょっと違うぞという部分も多いですね。主人公のしっかり者のお姉さんってところが大好きです。でもこの人、いい男にもててるんでよね。タッパがあって、しっかり者で力もあるお姉さんキャラなら年下のかわいい系かと思うとこれまたしっかりもののゴージャス背高男です。この辺が女性にも売れる・・と思うのですが・・理由なのかな?
 川上弘美「ゆっくりさよならをとなえる」理科系の素養がある方がちょっとファンタジーがうまいのでしょうか。そう言えばその代表のような宮沢賢治さんがふくやまけんこの「東京物語」に登場してましたっけ。川上さんの雰囲気ってなんか川原泉さんの初期の主人公のような若年寄的発想でべたべたしない男っぽい?感性が、ふんわりとしながら心に残ります。  (00:30)